僕は親です。
では、問題です。
何歳までが子供でしょう?
・・・答えは僕も知りません。
ちなみに、彼女たちは僕の子供です。
20歳前後にもになって人に道を聞いてますね。
しかも全員「何言ってるのこの人?」って顔してますね。
まぁ、仕方ないでしょう。
「タイ語」で道を説明されてもわかりませんから。
なんなら、人生で一度も来たことの無い国、言葉の通じない国、タイに来て何もかもスムーズに事が進む方がおかしい。
初めての海外旅行。
何も知らずにタイに降り立ってしまった彼女らは、電車の切符を買うどころか、人とコミュニケーションをとることすらままならない、赤子同然の、ヒヨっ子なんです。
彼らだって、日本で生活しているときは立派な大学生、成人してる人だって少なくない。
それでも苦労して海外に来る理由はただ一つ
「海外を旅してみたい」
それ以上でも、それ以下でもない。
そして、当たり前のことかもしれないけど…
初めての海外で1人なんてたまったもんじゃない!!!
大半の人はきっとそう思うはず。
だから、この子たちは「タビイク」という一人旅の練習企画を使って旅に出ることにしたんです。
タビイクの詳細はコチラ
この記事は、そんな子供達(タビイク参加者)の成長と、親である僕の心境を綴った物語です。
親ってなんだ?
冒頭から僕は、自分のことを「親」と呼んでいます。
親とは何か。
タビイクの企画では1〜12人のグループにつき1人の引率スタッフが付き添うことになっています。
僕は引率スタッフとしてタビイクに同行するので、初めて海外に来て慌てふためいている子や、ドキドキ&ワクワクしてる子を見ると、どうしても親心らしきものが芽生えてしまうんですよね。
親=引率スタッフ
子供=タビイク参加者
って思ってもらえたらいいです。
僕は何度もタイに来たことがあるので、電車の切符を買うことだって、泊まる宿をインターネットを使わずに取ることだって、なんならタイ人との会話だって余裕でできちゃいます。
でも、可愛い可愛い子どもたちはなーんにも知りません。できません。
僕(引率スタッフ)の役目ってなんだろう、ってたくさん考えながら彼らと時間を共にします。
引率スタッフは、旅行会社のツアーガイドとは、役割が随分異なります。
というか、逆です。
例えば、
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ガイド:トラブルに合わないように、〇〇へは行かないでくださいね〜
引率:トラブルに合わないためにはどうしたらいいと思う?もしトラブルにあったらどうやって対処する?
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とか
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ガイド:予約してあるホテルへ向かうので、ついてきてくださいね〜
引率:今から宿を取りに行くので、みんなで考えて工夫して好みの宿を見つけてね〜!
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とか
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ガイド:今日の夜の集合時間は〇〇時です。遅れないようにしてくださいね。
引率:今日の集合時間は何時にする?みんなの行きたいところにもよるから、みんなで決めようか。
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・・・引率は何にも決めてくれません。そして何にも教えてくれません。
『まずは自分で考えてみてね』
って言い続けます。
ツアーガイドさんは、参加者が帰国するまで見守ることができます。
でも、タビイクの企画は、1週間経ったら現地で解散します。
だから引率は、伝えることと、自分で考えて欲しいことを分けて話して、参加者が立派なひとりの旅人になれるように育てなければいけないんです。
解散して1人になっても、安全で楽しい旅ができるように。
親が子に「たくさん失敗して育て」って言うように。
ツアーガイドの「連れていく」という感覚とは少し違って、彼ら自身が気づき、考え、行動するキッカケを与えながら、見守る。
どちらかというと「ついて行って見守る」というのが引率スタッフの役目なんですね。
親(引率)の苦悩。
子供というのは、どうしてこうも言うことを聞いてくれないのでしょう。
親って、苦悩しますね。
===苦悩その①===
引率「時間がかかってもいいから、自分で方法を考えて目的地を目指してみよう!」
〜3分後〜
子供たち「ねーねー。最速で目的地に着くにはどうしたらいいの?」
引率「・・・内緒。みんなで調べたら絶対わかるから!」
(さっき伝えたこと、聞いてたのかな?)
子供たち「いじわる〜〜!!」
===苦悩その②===
引率「言葉が通じなくてもコミュニケーションを取る方法はたくさんあるよ!考えながらトライしてみよう!」
〜1分後〜
子供たち「英語できんから話せん〜!何が正しい情報なのかもわからん〜!」
引率「★◯¥※▲〜〜〜(声にならない声)。ほら!みんなが日本に外国人のひとが来た時、言葉が通じなかったらどうする??」
(身振り手振り、筆談、絵を見せる、地図を見せる、いろいろ方法あるのに気づくチャンスだ!)
===苦悩その③===
引率「出来事は、捉え方次第で、楽しくも、つまらなくもなるよ。どうせなら楽しくなるように捉えよう!」
〜5分後、レストランにて〜
子供たち「辛い〜〜!たべれん!!タイの料理ムリや。。。」
引率「みんなが居てよかったね〜!分け合っていろんな料理試せるし、自分の口に合うの探そう〜!」
(ってのを自分で気づけぃいいいいい!!!!)
総じて僕が引率として思うことは
「みんな、自分で頑張れ!」
ってことです。
愛のムチってやつでしょうか。
『優しく、なんでも教えてあげたい』
っていう保護者的な気持ちと
『自分で感じることと経験を大切にしてほしい』
っていう旅の先輩的な気持ちとが入り混ざって、知るはずもなかった親心を感じてしまいました。
冷静にこの記事を読んでいるあなたであれば「参加者のみんなは、話聞いてるの!?」と思えることでしょう。
でも、旅の真っ只中、彼らがこうなってしまうのも無理はない。
日本で生活してた時とは環境が変わりすぎたから。
いつもだったら当たり前に気が付くようなことに、気が付かない。
言葉も、空気も、人も、食べ物も。
見るもの全てが新鮮すぎて、感覚で吸収できる情報量を超えているのかもしれません。
新しい環境に入ったばかりの子供ってこんな感じなのかな。
僕には、血の繋がった娘も息子もいないですが、子育てに苦悩しているお母さん、お父さん、ほんの少しだけ僕もその気持ちがわかるような気がします。
親離れと子離れ。
子供というものは、成長し、いつかは親の元を離れていくものです。
タビイクでは、1週間の旅の練習を経て、子供たちを異国の地に解き放ちます。
解散場所は現地。日本じゃありません。
ここから先、たとえ子供たちに「一緒にカンボジア行こーよ!」なんて言われても、僕は彼らには意地でもついて行きません。
意地悪してるんじゃないんです。
親も苦悩すれば、子も悩んで、考えて、行動してきた今。
もう、彼らは1人で旅ができるようになったから。
知らなかったことを知り、自分で考えて決める楽しさを感じ、動けば変わることを体験した彼らに、僕はもう必要ありません。
初めて出会った1週間前、あんなにオドオドしていた子供たちは、すっかり旅人の顔になりました。
「俺明日からカンボジア行くわ〜」
「私は今日の夜行列車でラオスに行こうかな」
なんて会話が飛び交う。
正直なことをいえば、僕だって、まだちょっと不安。
「1人で行かせて大丈夫かな?」って心配になることは多々あります。
多分これが親心ってものなんでしょう。
けれど、僕は知っています。
世界はみんなに優しくしてくれる。
この先、みんなが一人で旅に出た後、その事を感じてくれる。
そして、自分の成長を実感し、旅を、世界を好きになるという事を。
心配な気持ちと、自分で楽しんできてほしいって気持ちが入り混じる感覚。
いやぁ、バイバイするって難しい。
でも、それが楽しい。
誰でも最初は初心者なんだから
タビイクは、「旅なんかしたことない」「海外とか行ったことない」あなたが、一歩踏み出すお手伝いをします。
共に過ごす楽しさを味わい。
濃い時間を過ごしたからこそ、別れが惜しい。
惜しい別れがあるから、再会が輝く。
親が子を育て、子は成長したら親になる。
そうやって繋がり、世界中に旅人が増える。
最初は誰でも知らないことばかり。
知らないからこそ魅力的な世界があって、未知の世界に足を踏み入れる者たちは、いつも失敗をおかす。
そして、無知な旅人ほど、輝いている。
旅に関していえば、プロもアマチュアも存在しない。
だから、タビイクに初心者は大歓迎。
さぁ、勇気ある無知な旅人よ、いってらっしゃい。
タビイクで海外を旅するなら、ココから。
タビイクHPはこちら▶︎タビイク公式ページ
この夏、人生が変わる。