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世界5周中の情報系旅人が綴る、世界や旅の情報あれこれ〜たまに恋〜

突然の砂煙り舞うナミビアの砂漠。『親方、止めて』その声はもう遅かったのかもしれない

4ヶ月にも渡るアフリカの旅。

北はエジプトから南は南アフリカまで南下をしてきた。

 

時間が充分あったかといえば決してそんな事はない。

それだけアフリカには見所がたくさんあったように思う。

 

まぁ、サファリにもいったし、ザンジバル島でマサイ族のジャンプも見れた。

エチオピアでは下唇に輪っかをはめている不思議な民族にも出会った。

(写真が有料で完全なる観光地だったけれども)

 

それに絶対に訪れたかったマダガスカル島にも行く事ができた。

(最後の最後で警察に連れて行かれるおまけつき)

 

アフリカ大陸の旅は本当に楽しく、満足がいくものだったと言える。

そこそこ辛さなどもあったけれど総合的に見ればアフリカ旅をして良かったと思う。

 

アフリカ旅最後の場所。

ナミビア。

 

僕らはナミビアをレンタカーで1週間ほど旅をする事を決めていた。

 

 

お車は快適な4WD。しかもオートマでございます。

ナミビアの首都ウィントフックに到着後、僕らはすぐにレンタカー会社へ行った。

僕らはもうアフリカを出国するチケットを買っている。

そのため、アフリカを去る時間が決まっていた。

 

予めネットで予約をしてくれていた車を見に行く。

しばらくして車が会社の目の前に運ばれてきた。

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その車はとっても大きく立派な車。

WD

しかもオートマ。

僕ら4人は全員運転免許を持っていた。

けれど、運転をするのは女性一人を抜いた男三人。

 

運転の歴はおそらく僕が一番長い。

しかし、ミッション車を運転する免許を持ってはいるものの、18歳で免許を取得後ミッション車を運転したのは、日曜日の教会へ行った時に動かしてほしいとお願いされた時の一度のみ。

 

だって普通に生活していれば、ミッション車を運転する事なんてないでしょう。

それこそ、好みじゃなければ。

 

ミッション車の免許を持つのは、まぁなんとなく取っといた方がかっこよさそうだったから。

オートマ限定なんて男は取らないものなんだろ。

そんな風に思っていたバカな自分がいたから。

どうせ運転なんかしないのに。

 

 

僕らの目の前には予想していたよりも立派な車があった。

どうやら空いている車があったのでグレードアップがされたらしい。

しかも料金は同じでいいんだとか。

素敵なナミビアのレンタカーサービス。

 

 

僕らは契約の内容に目を通した。

大切なのは保険の内容。

 

ナミビアではレンタカーによる事故が多発している。

僕らが行く前にも2台の車が事故を起こしていた。

運の好い事に誰も死人はでていなかった。

けれど、車は両方廃車。

 

保険に入っていたおかげで支払いはほとんどかからなかったという話。

 

そんな訳で僕らも保険の内容をしっかりと見ていた。

 

大丈夫。

誰かにぶつけられたとしても、こちらがぶつけたとしても保険でまかなう事ができる。

どんな事故にあったとしても大丈夫。

 

これでナミビアの旅がスタートできる。

もちろん運転は安全運転でお願いします。

 

 

あ、最初の運転は僕ね。

いいよいいよ。

砂漠を運転するよりは、普通の道路で運転する方が得意だからね。

 

赤い砂漠に昇る太陽。それはそれは眩しくて。

最初に目指したのはナミブ砂漠。

赤い砂漠として知られているナミブ砂漠へ行き、朝日をみようと僕らは考えた。

 

到着したのはもう夜になる少し前。

なかなかの距離を初日で走った。

 

僕らはナミブ砂漠の手前にあるセスリムキャンプにチェックインをした。

今日はここでテントを立てて宿泊をする。

 

食事を終え、今日の疲れをねぎらうビール。乾杯。

翌朝早くに起きるという事もあり、今日はあまり飲まないようにしなきゃ。

 

 

起床したのは午前4時。

まだ外は暗い。

星空も綺麗に見える。

 

ゲートがあく時間を見計らい、僕らはナミブ砂漠の入り口へとむかった。

運転手はけいた。通称変態。

 

変態の運転で僕らはナミブ砂漠を進み、一つの高い砂丘を見つけた。

そこが朝日を見る絶好のスポットらしい。

僕らはそこへ登る。

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そこから見る朝日。

それはとても美しいものだった。

砂漠の上から見る地平線の上に昇る朝日。

ナミブ砂漠の砂が赤い事を最も気づかせる瞬間なのかもしれない。

 

 

デッドフレイへようこそ。ここは水のない死のセカイ。

ナミブ砂漠にあがる美しい太陽。

僕らは満足をしたまま、次の場所へ移動した。

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次の場所はデッドフレイ。

その場所には水分がなく、枯れた土地に枯れた木々が立ち並んでいる不思議な場所。

 

砂漠に囲まれた場所にポツンとできた窪み。

そこには沼があった事を想像させる。

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すでに死に絶えているであろう木々が立ち並ぶ景色。

不思議な形をした枝があちらこちらへと手を伸ばしているようだ。

 

水分というものが人にとって、そして木々に取って必要不可欠なものであるという事を感じさせる景色。

けれど、これはこれで一つの絵画のように見え美しいものだと思わせる。

 

美しさに対する解釈の仕方というのは人によってそれぞれなのだろうけれど。

まぁ、こんな美しさだって世界には存在するという事実がある。

 

水のないセカイ。

死のセカイ。

空気のあるセカイ。

生のセカイ。

影のセカイ。

光のセカイ。

 

そんな様々なセカイを、僕らは異なる解釈で受け入れる。

それが美しいものであろうと醜いものであろうと。

今目の前にしているのは、目の前のセカイなんだから。

 

 

今日を迎えたばかりの太陽は、まだ僕らの頭上にのぼったはきていない。

暑くなるのは今日の午後だろうな。

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充分な水が必要だろう。

今さっき枯れたセカイを見てきたばかりの僕らには、充分その事が分かっているはずなのだから。

 

 

突然の砂煙り。きゃりーぱみゅぱみゅはアラームにはならない。

僕らはナミブ砂漠を去る事にした。

時間はまだ午前中。

早いうちに出かけ、次の街へいこう。

 

次の行き先はスワコップムント。

スワコップムントには数日滞在し、様々な場所へ行く予定にしている。

 

スワコップムントまでの道のりは長い。

直線距離だと250キロ程度だろうか。

約4時間から5時間くらいはかかる。

 

しかも、ほとんどが砂漠地帯。

僕らの知っている友人が事故を起こしたのもこの道のりの最中だった。

 

砂漠地帯での事故はよく起こる。

その大半がスピードを出しすぎた事による、スリップ。

スリップは水や氷のうえだけではなく砂の上でだって起こる。

 

運転をするのはゆーこりん。通称親方。

親方は仕事でも車に乗っていたし、一番車の運転に慣れているという事でここの道を運転する事になった。

 

 

昨日運転をしていた途中にもいくつか砂地はあった。

確かに油断をすればスリップしてしまうだろうという感触はあった。

 

親方はそこまでスピードを出さずにゆっくりと運転をしていた。

それがナミビアでの運転の基本。とりわけこの砂漠地帯では。

 

 

空は晴れている。

見通しも良い。

 

僕らは音楽を聴きながら砂漠でのドライブを楽しんでいる。

 

B’z

ももいろクローバー。

そしてきゃりーぱみゅぱみゅ。

 

♪あの交差点で みんながもしスキップをして♪

 

とても愉快な車内だ。

 

♪もしあの街の真ん中で 手をつないで空を見上げたら♪

 

ノリノリの車内。

 

♪PONPONうぇいうぇいうぇい♪

 

僕らの目の前に突如砂埃がまった。

 

♪ぜんぜん しないの つまらないでしょ♪

 

嫌な予感がする。

 

♪ヘッドフォンかけて リズムに乗せて♪

 

砂埃の原因はなんだ。

 

♪WAYWAY空けて あたしの道を♪

 

そうか。砂埃の原因は“あれ”だ

 

♪PONPONうぇいうぇいうぇい
PONPONうぇいPONうぇいPONPON♪

 

親方。車を止めて。

 

♪うぇいうぇいPONPONPON
うぇいうぇいPONうぇいPONうぇいうぇい♪

 

その声はもう遅かった。

 

*続く*